| ●京都花街の経営学 西尾 久美子 (著)
★━━━こう思ったら読め!━━━━━━━━━━━━━━━━★ 『舞妓はんと経営の関係?』
京都の本屋で見つけて即買いました(笑) ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
☆気になったキーワード
『一見さんお断り』 『分業制度』
『新年の始業式』 『長期競争優位性』
★━━━━本の著者に聞きたいこと━━━━━━━━━━━━━★ 『なぜ、京都の花街は継続的に経営が成り立っているのか?』 応用のタネを探す ★━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━★
☆本から得た気づき ━━━━━━あらすじ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼『顧客情報の蓄積−「一見さんお断り」と「宿坊」』 ▼『新年の始業式−成績発表』 ▼『長期競争優位性の事業システム』(明日のご紹介) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
▼『顧客情報の蓄積−「一見さんお断り」と「宿坊」』 「一見さんお断り」というキーワードは、よく知られているかと 思います。
京都のお茶屋さんで遊びたい!と思っても だれかコネやツテがないと、でかけられないということを。
このしきたりのおかげで、「お茶屋」の顧客と言うことは イコール、信用できる人であるというステータスにもなっているのです。
というのも、花街のしきたりで基本的には、「ツケ」での 取引関係がお客さんとの間では成立しています。 それもクレジットカードなどに頼るのではなく、自らがリスクを 負っての取引関係ですから、信頼できる人しか お客さんに出来ないシステムになっているのです。
でも、、本著を読むまで知らなかったのがもう一つのしきたり 「宿坊」です。
これはお客はひとつの花街では1軒のお茶屋さんだけを 窓口にして遊ぶという暗黙のルールです。
京都には花街は5つあるので、最大5個までと言うことです(笑)
これどんなメリットがビジネスの観点からすると あると思いますか?
お茶屋さんの側からすると。。。固定客になってもらえるという 表面的なメリットももちろんですが、 長期的に見て「お客さんの好み・思考」を理解する機会が 増えるというのがありますね。
常にお店に来てもらったときに、どんな希望をだされたとか どんな料理を好むのか?どれくらいの頻度でいらしていただけるのか?
すべてが、大事な情報でもあります。
でも、「宿坊」があると、お客さんからすると 他の店にも行ったり出来ないから楽しくないのでは?と これを読んでいて思ったのですが、さすがそこらへんは ちゃんと考えられています。
「宿坊」が窓口になって、他のお茶屋さんに行くのは OKなのです。 あくまで、基本は「窓口」。 そして他のお茶屋さんからすれば「一見さん」である お客も、「宿坊」という窓口があるからこそ、安心して お招きすることができるのですね。
普通だったら「お客の融通」のしあいなんてことは まずしないでしょう。ライバル同士ですからね。
でも、そこは「お客さん」優先でつきあっていく 長期的な視点があるからこそ、やっていける仕組みであると思います。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - ▼『新年の始業式−成績発表』 花街の中に、学校があるって知ってました?
「そりゃたまたま中学校とか高校とかがあるかもね」 と思うかもしれませんが、この学校・・・
舞妓さん・芸妓さんのための学校なのです。 年齢に関係なく、現役である限り 芸を学ぶために在籍するこの学校。
新年に始業式が行われるのだそうですが。。。 そこでまず「あること」が恒例行事として行われます。
その「あること」とは・・・売上の成績発表です。
その数値に関しては、花街の外にはもれないようになっているので 実際の経済規模は推定するしかないのですが 現役の芸舞妓さんは、一律にシンプルに評価されるような 仕組みになっているのです。
というのも、若いから・かわいいからと言う理由だけで お座敷に呼ばれないのがこの世界。 あくまでお客さんがトータルで楽しめるように!と コーディネートする「お茶屋さん」たちがいて 普段から芸舞妓さんのことを観ています。
すると、、自然と能力が高い芸舞妓さんは お座敷に呼ばれる回数が増える=売上が上がりますし そうでなければ、努力して能力を磨くしかない。
すばらしいくらいに360度評価が染みついているのです。
これが、仮に「社長」みたいな実力者がいて ごまをすったりするだけでも、ある程度まで上に上がっていけるような 組織だったら、こんなことは出来ないと思います。
が、花街においては、誰が偉い!というよりは 「お客さんに楽しんでもらう」ということを 最重要なところにおいて、そのためにどうすればいいのか? ということを、花街全体で考えるという思考回路が 長い時代にわたって脈々と伝わっているのでは ないかと思えてきました。
だからこその、新年早々の始業式でもあるし 機能する360度評価なんだとおもいます。
・・・・・・明日に続く
●京都花街の経営学 西尾 久美子 (著) http://amazon.co.jp/o/ASIN/4492501762/maruruchan-22/ref=nosim
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